“『お風呂』 俺が小学校に上がって少しした頃、親父と一緒に風呂に入った時に 「どっちが長く潜っていられるか競争するぞ」と言われて、せーので潜ったんだけど 20秒もしないうちに親父が上がった気配があったから やけに早いなと思いながら俺も上がろうとしたら 突然すごい力で頭を押さえ付けられて、グッと沈められたのね。 訳も分からないし、苦しかったから思いっきり暴れたんだけど 親父が力を緩める様子は全く無し。 子供心に「これはヤバいんじゃないのか!?」と思い始めた時 おふくろがタオルと着替えを持って脱衣所に入って来たみたいで それに気付いたのか、親父の力が抜けたのね。 「今だ!」って思ったかどうかは定かじゃないけど、まだ頭の上にあった親父の手を払いのけて 湯槽から飛び出さんばかりの勢いで上がり 荒く呼吸をしながら親父の顔を見たら無表情なの。 何の感情もこもってないような目で俺を見つめて だけど声だけは明るく、おふくろと何か話してる。 俺は恐怖と混乱で、おふくろに助けを求めようにも声は出ないし 息をしてるはずなのに苦しさが増していくようで、体を動かすことも出来ずにいたんだけど 話が終わったのか(実際は二言三言だと思うが、俺には長く感じた) おふくろが脱衣所を出て扉を閉めた瞬間、親父がいつもの顔に戻って 「そろそろ上がるか」って笑顔で言った。 不思議なことに、その笑顔を見た瞬間に恐怖と混乱は嘘のように消え去り 呼吸も落ち着いて、体も動くようになったんだけど そのあと脱衣所で親父に頭を拭かれながら 「もうお父さんと風呂に入るのは卒業だな」と思ったのを覚えてる。”
- ゾッと怖い話ー基地外とかメンヘラとかヤクザとかー | オカルト.net|怖い話まとめ (via kowaiyosikolemonkazukij)
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