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"もうひとつ、別次元の問題として、この言葉は、「政治家がカネにかかわること」それ自体をタブー視する本末転倒の政治観を普及させる意味で、困った副作用を発揮している。  政治は、もともとカネと縁の深いものだ..."

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もうひとつ、別次元の問題として、この言葉は、「政治家がカネにかかわること」それ自体をタブー視する本末転倒の政治観を普及させる意味で、困った副作用を発揮している。

 政治は、もともとカネと縁の深いものだ。

 あるいは、政治とは、カネの使いみち(予算)とカネの集め方(徴税)についての合意形成の過程だといっても良い。

 政治とカネは、魚と水のような、切っても切れない、表裏一体の存在であり、カネは、政治という運動を支えるガソリンでもあれば排気ガスでもある。

 とすれば、

「政治とカネ」

 という、この誤解を招きやすいフレーズを、マスメディアの記者が安易に使うことには、問題があると言わざるを得ない。

 カネを集め、カネを使う力量と胆力を持ち、カネの効用とカネの副作用についての実効的な知識を身につけ、カネと権力を正しく運用できる能力を備えている人間でなければ、頼りになる政治家とは言えない。

 その意味で、政治家にとってタブーなのは、不透明な資金に手を出したり、不適切なカネの力で他人をコントロールしようとすることなのであって、カネに触れることそのものは、むしろ政治家の本務と考えなければならない。

 料理人が汚れた手で板場に立つことは、強くいましめられなければならないが、かといって、板前が食材に触れることそのものをタブーにしてしまったら、料理は成立しない。

 政治とカネにまつわる事件を報じる時には、

「贈収賄疑惑」
「政治資金問題」
「寄付金疑惑」
「二重帳簿問題」
「後援会の旅行費についての不正報告疑惑」

 と、いちいち個別の事案ごとに、そのケースにふさわしい見出しをひとつずつ考えて、それぞれにふさわしい言葉で報道するのが本当だと思う。

 ところが、キャスター氏は

「次は、永田町に衝撃、新たな政治とカネの疑惑、です」

 と、いともあっさりとキャッチフレーズを連呼しにかかる。

 キャッチフレーズとして一丁上がりになってしまった言葉は、メディアとその受け手の双方に、条件反射をもたらす。

 「ベル」→「エサ」→「よだれ」という一連の行動が反復されるうちに、いつしか、「エサ」の部分を飛び超えて、「ベル」から直接「よだれ」を誘発するに至る回路が形成される過程と同じように、「政治とカネ」というレッテルが、内容の如何にかかわらず、いきなり「アウト」の判定を呼び寄せる粗雑な図式が出来上がる。

 と、ニュース原稿は単純化され、Qシートはフローチャートみたいになる。



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辞任まで“あまり”に強気だった理由 (2ページ目):日経ビジネスオンライン

ほんっとうに頭悪くて悪質だよねこの言葉。

(via odakin)


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