酸素のない宇宙で、なぜ太陽は燃えるのか?
それには、「燃えること」つまり燃焼について知らねばならない。
物質が酸素と化合して、熱と光を発する現象を燃焼という。
このため、モノが燃えるには酸素が不可欠なのである。
太陽にもごくわずかの酸素が含まれているが、燃焼の役に立つ量ではない。
ここから言えることは、太陽は燃焼していない ということである。
太陽は燃えているように見えるが、実は燃えていないのだ。
太陽は燃焼とはまったく違う原理で熱と光を発している。
その原理は、核融合反応だ。
太陽の強力な熱と光は、核融合反応によって生成されるのである。
核融合反応とは
物質の構成単位を原子といい、その中心部を原子核という。
元々、原子核は不変の単位であると考えられてきた。
ところが、原子核は分裂や合成によって、他の原子核に変化することが発見されている。
水素を一か所に集め、およそ1000万Kを超えるような高温・高圧になると、4つの水素原子核が反応し、1つのヘリウム原子核が生成される。
これが水素核融合反応である。
「水素原子核4個分」と「ヘリウム原子核1個分」の重さを比較すると、ヘリウム原子核1個分の方が軽い。
水素原子核4個がヘリウム原子核1個に合成されるときに、少し軽くなる。
つまり、質量が余ってしまうのだ。
余った質量の行き先はエネルギーに転換されるしかない。
核融合によって余った質量がエネルギーとなって解放されるのだ。
このエネルギーは光・熱として放射される。
太陽の大部分は水素ガスである。
水素ガスが大量に集まることによって重くなり、重力によって収縮しようとする。
ところが収縮すると、中心部の圧力が上昇し、温度も高くなる。
このため、太陽の中心部で水素核融合反応が起こる。
水素核融合反応は、太陽が輝く原動力であると同時に、水爆の原理でもある。
そのエネルギーは燃焼の比ではない。
もし、太陽が燃焼によって光と熱を放っているとしたら、人類が誕生するはるか以前に燃え尽きているはずだ。
- 真空の宇宙で、なぜ太陽は燃えるのか?:サラリーマン、宇宙を語る。 (via micamica)