“とりわけ『オジサンズ11』で鳥居みゆきが鈴木史郎から般若心経について話題をふられたときの、禅問答のようなやりとりは忘れられない。般若心経の「空」がわかるかと問われて「食事には興味がないんで」と答え、「空」とは「食う」であるという返しに感服する鈴木史朗にたたみかけるように「食う(空?)に足りないってことです」と満面の笑み。そしてボソっと言い放つ「初めてお父さんに会えた気がします」。会話の中でどこが関節なのかを即座に見極め、的確に関節をはずして意味不明にならないギリギリのところでずれた世界観を現出させるインプロビゼーションの世界。または言語によるフリージャズ、とかなんとかよく知らない言葉を並べたくなるくらい、高尚さを感じたということなんですけれども。鳥居みゆきの笑いを吉田戦車の4コマだとしたら、私が子供のころに流行していたジョーク「赤信号、みんなで渡れば怖くない」なんて、新聞の風刺4コマみたいなものじゃないですか? 東京ローカルで申し訳ないが、彼女が『東京ビタミン寄席』で見せた重信房子を赤ずきんちゃんに見立てた連合赤軍紙芝居も、政治風刺の笑いという枠組みを鉄球でぶちこわすナンセンスぶりがすさまじかった”
- Webマガジン幻冬舎:堀越英美 文化系ママさんダイアリー 第57回「2歳児の笑いのツボを考える」の巻 (via otsune) (via nemoi) (via do-nothing)
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