言及されている、もと記事の
日本の中高の英語教育がマイナスにしかならない件について
を読んだときに和訳しながら読む癖がつくという項目について全く気にしてなかった。あることさえ忘れていた。たぶん私自身が和訳癖に悩まされたことが無い
からだ。大学くらいの時に気がついたら自然に和訳せずに読むようになっていた。BSIに来て話さなくてはならなくなったときも、頭の中で日本語から訳した
りはしなかった。(べつに英語がうまいわけではない。単に日本語を介さないだけ。)
考えるにこれは私が中学校の最初から、単語を覚えるときに訳語を覚えようとせずに「単語の本当の意味」を覚えていったからではないかと思う。
辞書を見ると、一つの単語に沢山の訳語が載っている。なんで一つの単語にこんなに沢山の意味があるのだろうと中学生の私は思った。しかもあまりにも違った意味の物が並んでいて面食らう。
でも本当は相手の単語の意味は一つだけなのだという事に気づいた。例えば、もっといい例があったようには思うけど、”conceive”。これは 「考える、思う」という意味と「妊娠する」という意味が載っている。それぞれの単語について、なぜこうも違った意味を同時に持ちうるのだろうとクイズのよ うに考えていった。conceiveのばあいはつまり「懐く」という意味だったというのが答えだ。つまり一方で「(考えを)いだく」であり、もう一方で 「懐胎」、腹に子をいだくであったというわけだ。正確にはすこし違ってラテン語のcon+capere 「つかまえる」らしいけど。
という具合に本当の意味を覚えて行くと面白かった。
また、私は英単語の記憶に苦労した記憶がないのもこれと関係あるのではと思う。最初の数ヶ月は苦労したけどあるとき急に頭の中のスイッチがカチリと いったような感じがして、それからは単語は一度見ると覚えられるようになった。(別に語彙が多いと主張している訳ではない。楽に覚えられたというだけ。普 通並の語彙で満足してやめた。)
我々は日本語の単語なら10万くらいの語彙を持っているはずなんだけど、大抵は覚える時に苦労した記憶は無いはずだ。一方10万の電話番号を覚える のはたいていの人に取って不可能だろう。単語の記憶能力は他の種類の記憶に比べて桁違いだ。これは恐らく脳の中に単語を覚えるための専業システムがあるか らだろうと私は思う。そしてそのシステムは単語と意味の連関を覚えることは出来るけど、単語と訳語の対照を覚えることは出来ないのだと思う。
”- 多分、肝心なのは単語の「本当の」意味を覚えていくこと : 最尤日記 (via ginzuna) (via aya18)