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――古い日本映画に興味があるみたいだけど。
JZ そう。でも多くの作品がもう処分されてしまったりしているからね。これはぼくが日本に来るようになって驚かされたことなんだけど、日本人の情報の収集欲というのはものすごい。情報の収集にはふたつのやり方があると思うんだ。 ひとつは主体性を持って情報を集めて、勉強して、自分のなかにどんどん蓄積して、まとめていくというやり方。もうひとつは、単なる情報の交換なんだけど、日本の場合にはほとんどがこっちだ。ぼくにはこれは使い捨てのファッションにしか見えない。 たとえば、去年はエスニック・ミュージックだといったらみんながみんなエスニックを聴いている。で、今年はメタルだとかいうとみんながメタルに走るんだ。これは単なる情報の出し入れで何も残らない。企画をする一部の人間に踊らされているだけなんだ。 それをもっと自覚するべきだよ。蓄積はとてもいいことだけど、単なる出し入れは最悪だね。(部屋の壁に貼ってある古いピンク映画のポスターを指して)これらの映画がなぜみんな処分されてしまったんだい。タイトルだけでも興味を引かれるのに。 ぼくは古いピンク映画とかをアメリカで上映したいと思ったんだけど、もうプリントがないんだ。保存するスペースの問題とかもあるんだろうけど、どういう価値基準で処分されるのかというのは疑問だね。
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