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――壁のポスターはどこで手に入れたの?
JZ 神保町の古書センターで探したんだ。いまじゃ顔なじみになって、ぼくが行くと店の奥からいろんなものを出してきてくれるよ。日本映画でぼくがちょっと残念に思うのは、宍戸錠だね。彼は日活のスター、日本を代表する超大スターだったんだ。 けどいったいいまは何をやってる?テレビのグルメ番組で美味しいものを食べてるだけだ。あんなことをやっていて、誰が幸せになれるんだい、まったく。あれだけの才能を持っていながら、こんなことになっているのは、ぼくには残念でならない。 これも情報を蓄積するのか交換するのかの選択を誤ってる結果なんだよ。宍戸錠は日活のスターのなかでも、自分のまわりで何が起こっているのかを一番正確に把握していた人だったんだ。たとえば、小林旭とかは、 自分の立場とかキャラクターを何の疑いもなく信じきっていた人だと思う。でも宍戸錠は、のめり込むことがなくすべてがゲームだということを醒めた目で見ていた人なんだ。そして、そのことを一番最初に確信して、実行しようとしたのが、 鈴木清順ではないかと思うんだけど。宍戸錠が使い捨てになってしまったのは、もしかしたら彼がグローバルな視野を持っていて、どこでもやっていけるようなタイプだったからかもしれないね。
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