Quantcast
Channel: new way,new life
Viewing all articles
Browse latest Browse all 32638

"反原発運動の失敗原発・放射線は本来は科学的事実に基づいた社会的議論を行うべき問題であることは自明だろう。だというのに、反原発も原発推進運動も、科学よりも立場を重視し、あまりにも為にする言論を多用し過ぎた..."

$
0
0

反原発運動の失敗

原発・放射線は本来は科学的事実に基づいた社会的議論を行うべき問題であることは自明だろう。だというのに、反原発も原発推進運動も、科学よりも立場を重視し、あまりにも為にする言論を多用し過ぎたように見える。この不毛な争いのあとに残ったのは人々の不信とニヒリズムという荒れ地である。

しかしそれにしても脱被曝という放射線被曝の危険性を過剰なまでに唱える一部の反原発運動が流言・デマに頼ったことは目に余った。運動が自分たちの望むことを言ってくれる偽りの「真実を語る人」たちに頼ることで迷走をはじめた。そして本来力になったはずの良心的な科学者を御用学者として排斥する運動まではじめたときに、正しい科学知識による言論の修正の可能性は閉ざされた。

さらに脱被曝系の反原発運動は、反ワクチン運動など非科学的な態度で科学に基づく医学を否定する反近代医学に接近し、偽りの左翼の仮面をかぶりつつも反科学・反近代の姿勢に傾斜していった。

問題はそれだけではなかろう。脱被曝系反原発運動は非科学的根拠で避難を叫んでも現在福島にいる住民を具体的に助ける努力はしなかった。それどころか差別意識を隠さない葬式デモを許した。偽りの「真実を語る人」たちが煽った瓦礫受け入れ反対運動という、科学的根拠がないだけではなく、穢れ意識に基づいた差別を助長する運動に肩入れした。党派をこえた近代的な連帯をする努力もしなければ、困ったときには助けあうという日本の伝統的な形での連帯の意識すらなかった。

そして、脱被曝系反原発運動を支持するひとのなかに、自分さえ逃げ切ればいいという現在の日本の中流階級に多々見られるエゴイズムが垣間見えたときに、反原発運動はまとめて幅広い支持を失ったのではないか。この反原発運動の失敗がゆえに日本社会は原発再稼働へ、政治的にはより右へと舵を切ることになったのではないか。



- STAP事件の悲劇から反原発運動の堕落まで連なる糸(小野昌弘) - 個人 - Yahoo!ニュース (via yaruo)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 32638

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>